iCDを企業人財ニーズに応える共通言語に
学生指導のカリキュラム編成へiCDを適用

北原 聡 様 打越 直美 様

会社のご紹介
昭和61年開校の情報系専門学校様で、学生数1,135名、教職員140名、5分野、9学科、15専攻、30コースの多彩なカリキュラムを提供している福岡の大規模専門学校様です。

麻生情報ビジネス専門学校
設立:1939年3月
従業員数:485名(2021年4月現在)
事業内容:専修学校の運営

URL:https://asojuku.ac.jp/

取り組みについてお伺いさせてください

 本校では文部科学省の職業実践専門課程に留学生限定学科を除く全学科が認定を受けており、企業が参画したカリキュラム編成委員会によるカリキュラム作成と企業との連携授業を推進しています。iCDはこの取り組みの中核的な役割を果たしており、カリキュラム編成、学生の学習目標設定、学習評価の指標として活用しています。私たちは、iCDをカリキュラム編成に取り入れるiCD推進委員会のメンバーです。

 

iCDをご導入いただいたキッカケを教えてください

 カリキュラム編成員会では、参加企業様からのご要望やご意見をお伺いしながらカリキュラムの内容を決めていきます。その際に議論がときおり発散してしまうことがありました。議論の基軸にできるなんらかの指標があったら意識合わせもしやすくスムーズにカリキュラムを作成できるのではと考えていたところ、FISAが主催するiCDの説明会の話しを耳にしました。


 説明会に参加したところ、IT分野の開発における業務を体系的にまとめられているiCDのタスクディショナリについて詳しく知ることができ、これだと思い導入することになりました。iCDのタスク項目をもとに、企業様とカリキュラムの構成について議論をすれば、今まで以上に体系的にカリキュラムをまとめやすくなると感じました。

iCDをどのように活用されていますでしょうか

校長代行 北原 聡 様

 1つ目はカリキュラムを編成する際の指標として利用させて頂いております。年2回のカリキュラム編成委員会で企業様や業界団体様からiCDのタスク項目を基軸にヒアリングをさせて頂いております。今、ITの現場で求められている技術業務の項目をiCDのタスクをもとに意識合わせをし、数ヶ月かけてカリキュラムの内容へ反映させることを行っております。各技術分野において20から30項目のタスク小項目を設定してカリキュラム編成に役立てております。


 2つ目は、年2回の学習評価(学生による自己評価)で利用させて頂いております。卒業年度の初めと終わりにタスク診断を実施し、成長度合いを実感してもらう目的で利用しています。

取り組みがスムーズに進められているポイントを教えてください。

 最初の導入時期は、カリキュラム編成に関わる教職員は、作業が増えるイメージがあり身構えていました。それでも、カリキュラム編成の際に起きる基準の議論をiCDのタスクをもとに進めていくうちに、企業様側との認識合わせが進めやすくなる実感があったようです。


 誰かが勝手に作った基準ではなく、業界で標準化されているiCDを活用することで、議論が集約しやすくなることが大きなポイントだったと思います。

教務課 システム系 打越 直美 様

iCDをご導入されて変化したことはどのようなことでしょうか

 企業様と共通の指標ができた事により、カリキュラム編成委員会が活発になりました。基準が明確になったということが大きなメリットでした。


 それから、教職員が学生の卒業後の具体的な業務をもとにした指導を行えるようになりました。教職員の指導に関する個人差がiCDのタスクと役割をもとに、ITの現場で求められる人材像の基準が明確になり、指導しやすくなったと聞いています。タスクと役割という目に見える人材像を示せることで、学生側もイメージしやすくなったようです。

今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか

 これまでの活動で、カリキュラムや現場でも求められる人材像でイメージを共有できる共通言語としてのiCDが浸透してきました。今後は、シラバスの説明項目としてiCDをさらに取り入れ、学生の評価表へも取り入れていきたいと思っています。社会に出る前の学生が業務の体験とイメージをより一層高められ、企業様側が求める活躍できる人材を教育できる環境をさらに強化していきたいと考えています。