iCDを活用した人材育成風土の醸成
会社の方向性に合致した能力向上を社員自らが目指せる自走の仕組み作り

推進メンバーの皆様
伊藤照将様 梅本美恵様 五十棲一智様

会社のご紹介
株式会社システムリサーチ様は、SIサービス・ソフトウエア開発、ソフトウエアプロダクト開発・販売、EC(電子商取引)関連事業を手掛けられている独立系SIベンダー様です。

株式会社システムリサーチ
設立:1981年3月
従業員数:1209名(2021年4月現在)
事業内容:SIサービス・ソフトウエア開発(企画~設計・開発~構築・導入~保守に至るまで、ハードウエア・ソフトウエア・周辺機器・ネットワークソリューションの総合的な提供、常駐型によるシステム開発・支援・保守、AI活用した各種サービスの提供) / ソフトウエアプロダクト開発・販売(通販業向けパッケージ、CTI/コールセンター、 顧客管理等) / EC(電子商取引)関連事業(ネットショップ構築・運営・『イージーマイショップ』の提供)

URL:http://www.sr-net.co.jp/

取り組みについてお伺いさせてください

 2019年に弊社社長が代わり、その年策定された中期経営計画には5つの経営戦略の柱があります。その中の一つである「エンゲージメントを高めるキャリアパス制度の構築」に基づき、社長直轄の新キャリアパス制度ワーキンググルループが発足されました。私たちは、そのワーキンググループを運用しているメンバーです。

 

iCDをご導入いただいたキッカケを教えてください

 2016年当時、現社長「平山」より、社のさらなる成長に向け

 ①より体系的で計画的な人材育成活動へ進化検討
 ②将来的な評価制度、人事考課にも活用検討

を指示され「iCD活用検討」から取組みをスタートしました。

 この時すでにISO/ITSSを活用した目標管理制度はあったものの物足りない仕組みでした。早速、IPA訪問し概要を伺い、より詳細な内容を把握することにしました。その後弊社への具体的な導入検討のために、事業部門の部門長クラスを招集し、最も早く開催されるCSAJのiCDワークショップへの参加を決定するとともに、タスクの洗い出しに取り掛かりました。

 ワークショップ参加時点では、社員数850名、洗い出したタスクは大分類48、小分類717、役割は32種類にもなりました。

 iCD活用運用の導入には社員の工数増も予想されましたが、日々の業務内での育成活動が体系化されていなかった部分に対し、IPA提供で業務のタスクが体系的かつ階層的に整理されており社員にとって有益な情報として活用できそう、業務タスク・役割で全社集計、経年変化把握も社の成長に役立てることができそう、と考え全社員(管理部門除く)のiCD診断を実施することを決断いたしました。

iCDをどのように活用されていますでしょうか

取締役 産業システム事業部 事業部長 大阪支店担当 梅本 美恵 様

 個人の能力レベルの可視化指標のひとつとして、「タスク大分類で部門特性や主事業範囲における経験レベルの把握」「 自社の人材像を元に部門特性や役割における経験レベルの把握」で活用しています。

 弊社では、技術者個人の「教育訓練計画」をQ単位で進捗度を自己評価、上司との面談で成長度合いの確認をしています。

 iCDを活用し始めてから、個人の能力をより業務のタスクに関連して確認できるようになり、「能力の可視化・目標設定・面談で確認・結果の分析」の流れをスムーズに進められるようになりました。

 また、弊社の面談は、目標設定することが目的ではなく、「キャリアを一緒に考えること」が目的となっていますので、現在実施している業務や将来の業務をiCDのタスクという共通言語で話ができるようになり、より具体的な内容でキャリアについて会話ができるようになりました。

取り組みがスムーズに進められているポイントを教えてください。

 iCD導入検討当初~昨年立案した中期経営計画が「トップダウン」で進められてきているため、「iCD導入計画~導入活動~導入後の改善活動」のPDCAがスムーズにスピーディーに実行できていると考えています。

 また「とにかくやってみる」こと。元々、目標設定をするISO教育訓練計画システムが弊社には存在しておりましたので、それを活用して素早く新運用へ流用したり、面談を実施した証跡を必ず残すようなフォーマットとその新運用を決めすぐに導入することなど、まずやってみる、をスピーディーに実行に移すことが大切だと考えています。

 その後、問題があれば、ワーキンググループで議論して、また素早く改善していけばよいという考えです。

 新運用を定着させるには、啓蒙活動が非常に重要で、より本気度を理解してもらう為に、ワーキンググループの役員や部門長クラスの社員が主催する説明会を何度も開催し、その時々の運用を浸透させる役割を担うキーマンに漏れなくインプットしていくことも行っています。

執行役員 自動車システム事業部 事業部長 五十棲 一智 様

iCDをご導入されて変化したことはどのようなことでしょうか

事業管理部 採用教育グループ マネージャー 伊藤 照将 様

 会社の方向性に合致した能力向上を社員自らが目指せる風土を醸成し、自走できる仕組みを構築ができたことです。

 経営計画に基づいた会社・部門の方針を、部内の会議や面談等の場面でメンバーに対して説明しています。

 その方針も踏まえ、iCDタスク診断結果も元に、各個人が具体的な目標や教育訓練計画を考えられるようになってきていると思います。

 弊社ではiCD導入を機に定額制の研修サービスを導入しました。社員は部内の人材育成担当や、自身の教育担当(EC=エデュケーションコーディネーター)とも相談しながら研修やセミナーへ積極的に参加するようになっています。

今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか

 iCDを活用した「社内PM育成カリキュラム」の運用を計画しています。経営計画のテーマに関連してDX時代の技術者育成が重要な要素になっています。PM育成カリキュラムに、iCDタスクでの自己評価と人材育成担当との面談運用を取り入れていく予定です。iCDを活用した「新キャリアパス制度」の構築も予定しています。人事考課の評価項目の一部をiCDタスクベースヘ変更していきます。より一層、iCDを個人の能力の可視化指標として、技術者の育成モデルに組み込んでいく予定です。

※ 十分な距離を開けて取材をさせて頂いております。