iCDを個人の能力開花を促進する人事評価項目に
自発的に新しいことにチャレンジし続けられる文化・風土作りへ
会社のご紹介
株式会社アイ・ピー・エル様は、動画配信システムのメーカーとして、動画配信プラットフォーム「クラストリーム」を始めとする各種クラウドサービスやIT技術を提供されています。
株式会社アイ・ピー・エル
設立:1992年2月
従業員数:36名(2021年3月現在)
事業内容:動画配信サービス事業/地図情報システム/組み込みシステム
URL:https://www.ipl-soft.co.jp/
取り組みについてお伺いさせてください
弊社では、2011年に動画配信サービス事業を立上げ、主軸ビジネスとなるように活動を続けてきました。この活動と共に、社員の意欲が高まる新たな人事制度を構築するプロジェクトが進められてきました。私たちは、新人事制度の立ち上げとその後の運用を担っているメンバーです。
iCDをご導入いただいたキッカケを教えてください
動画配信サービス事業を始めた契機はリーマンショックでした。当時は、受託開発や技術者派遣の仕事が主流でした。リーマンショックのような不況に陥ると、お客様の開発予算が削減され、仕事が確保できなくなる事態に陥りました。この状況に危機感を持ち、自社商品を持たなければならないとの考えを強くし、ビジネスモデルを変革するため、動画配信プラットフォームを開発しました。そのプラットフォームの利用料で事業を成立させるサブスクリプション型のビジネスを立ち上げられ、お陰様で現在は国内主要企業様に導入して頂けるサービスとなり、成長を続けています。
新しい商品を開発する為には、モノづくりに関わるメンバーの働く意欲を活性化しなければなりません。メンバーを活性化する方策の一つとして、新しい人事評価制度の導入を模索していましたが、なかなかストンと自社に当てはまる評価制度には出会えませんでした。そんな折、神奈川県の情報サービス産業協会で開催されているセミナーに参加し、IPAが推進しているiCDの話をお伺いする機会がありました。私たちがイメージしているモデルに活用できると実感し、iCDに白羽の矢が当たりました。
iCDをどのように活用されていますでしょうか
iCDは、私たちのような中小企業では到底作る事の出来ない幅広い分野のタスクが整備されています。その中から、自社のビジネスに合ったタスクを抽出して、自社独自のタスクディクショナリを作るところから始めました。また、メンバー自身が自らの立ち位置を知るという意味で、この膨大なディクショナリの中から、「自ら伸ばしたい・成長させたいと思えるタスク」を抽出してもらい、その成長の推移を人事評価で記録して活かしています。ワークショップにてiCDAの遠藤さんが「押し付けられた目標ではなく、自分で決めた目標であれば、人は自ずと目標に向かえる」ということをおっしゃっいたのを今でも鮮明に覚えています。「自ら選ぶことにフォーカス」を当てた運用をしております。
取り組みがスムーズに進められているポイントを教えてください。
導入当初に主要メンバーがワークショップに参加し、iCDに対する理解を深められたことが大きなポイントだと考えています。この経験から、社内でもiCDのワークショップを全社員に向けて展開しました。その結果、納得性を持って参画してもらう制度が出来上がりました。人事評価制度で期待していることは、各メンバーの能力測定よりも、各メンバーの個性や能力を最大限に発揮できる仕組みとすることの方が重要だと感じています。「個々の能力開花」にフォーカスを当てています。ワークショップに参加した個々の社員が、自分たちの力で評価制度を作り上げた体験から得られた効果は、社内活性化という言葉だけでは説明できない想像以上のものがありました。具体的には、日本を代表する多くの顧客に恵まれるようになり、目に見える形で売上向上に寄与したということです。
iCDをご導入されて変化したことはどのようなことでしょうか
主体的に活躍できるメンバーが増えたことが一番だと思います。自分自身の評価に敏感になり、何に力を入れれば会社が求めているアウトプットがだせるのかを自発的に考えられるようになりました。また、役割によっては長期間限定的なタスクのみに関わっていたメンバーも、ITの仕事にはたくさんのタスクが存在することに自ら気づくことにつながり、積極的に学習へ取り組むエンジニアもでてきました。自分たちの力で作り上げた人事評価制度を元に日々の仕事に邁進するので、ビジネスモデル変革期の原動力として非常に大きな力となりました。この力は、現在の動画配信サービス事業を成長させるために欠かせない重要な力となりました。
今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか
社会の変化が激しく展望を描きづらい時代が続くと感じています。このような時代、新しい事業にチャレンジし続けなければ、いずれ衰退してしまうことは自明の理でもあります。「新しいことにチャレンジし続けられる文化・風土」を大切に組織を活性化し、社会に役立つ事業を進めて行きたいと考えています。
※ 十分な距離を開けて取材をさせて頂いております。