iCDをエンジニアの評価基準に
社員の「成長の加速と輝きの広がり」を生み出す原動力へ
会社のご紹介
groxi株式会社様は、「わがままで感謝される」という経営方針でお客様との信頼関係を大切にされているITソリューション企業様です。ITソリューションの企画・提案、サービス環境の構築、サービスの維持・保守、研究開発を主軸に事業を展開されています。
groxi株式会社
設立:1990年2月
従業員数:222名(2021年2月現在)
事業内容:ITインフラソリューション事業(クラウドサービス、ネットワーク、サーバシステムの設計構築、運用保守 / DXソリューション事業(Microsoft365/Dynamics365導入及び活用支援、RPA/VBAツール開発) / ITエンジニア派遣事業
URL:https://groxi.jp/
取り組みについてお伺いさせてください
弊社は創業30周年を迎え、2019年10月に社名をgroxi株式会社へと変更しました。私たちは社名変更を契機に自社内で立ち上げた3つのプロジェクト(CIの再定義/DX事業の立ち上げ/人事制度改定)を推進する役割を担っております。
iCDをご導入いただいたキッカケを教えてください
3つのプロジェクトの中で「人事制度改定」においてiCDを活用した等級制度を導入することとなりました。そもそものキッカケは、現行の評価モデルから新しいモデルへ変えたかったことにあります。これまでの制度の中では能力があるのにも関わらず正しく評価されず埋もれているエンジアがいました。このようなエンジニアに日の目があたるようにしたかったという思いが長年ありました。iCDを導入することで、職種・役割別のタスク基軸での指標が数値化されますので、エンジニアの立ち位置が社内で何がどのレベルにあるのかを客観的に可視化することができます。エンジニアにとっては今自分は階段の何段目にいるのかを意識できるようにできれば、取り組んでいることに対して意欲も高まるだろうと考えていました。さらには将来検討しているジョブポスティングへの入り口にできるのではないかと考え今回の創業30周年のプロジェクトのタイミングで思い切って改革を行うことになりました。
iCDをどのように活用されていますでしょうか
新たな人事評価制度において、iCDのタスクプロフィールに基づく評価を全職種、全社員を対象に実施し、定量的な評価結果に基づく社員の等級評価に活用しております。具体的には、タスク診断をエンジニアであっても営業分野、管理分野も含め全タスクで実施してもらい、職種、役割別に求められる重要タスクに重み付けをし、タスク評価点として自動的に算出される仕組みを作り上げました。これにより、あらたな評価軸において全社員が同じ物差しで数値化されることになりますので、賃金制度へも細やかに連動させることができるようになりました。
取り組みがスムーズに進められているポイントを教えてください。
iCDを社内に浸透させる上で具体的な効果を求め、実は採用領域での活用が効果を奏しました。採用領域であれば巻き込む関係者が応募者、採用担当、面接官と少数で済むため、展開スピードを上げられると考えました。新規事業であるDX事業の社員採用において、新規事業で必要となるタスクを抽出し面接前に事前のオンラインアンケートという形式で応募者にご回答いただき、応募者間のデータ比較を実施し合否判断の参考材料とすることができました。エンジニア経験者採用においても、弊社のエンジニアと同じ評価項目でアンケートご回答頂き、既存の社員とデータの比較を行い、合否判断の参考材料としています。
iCDをご導入されて変化したことはどのようなことでしょうか
なによりも第一に評価者の意識が変わりました。iCDに基づいた定量的な評価基準を導入することで、評価者としてこれまでの自身の評価基準の客観性や正当性が妥当だったのか、どのように部下へ対して新たな経験を通した成長機会を促がせるかなどについて、従来の制度以上に真剣に向き合ってもらうキッカケとなっています。また、エンジニアとは定期的に面談をしているのですが、iCDという共通の概念をもとに会話ができるようになりましたので、本人が気づいていない未開拓のタスク領域に自然と目をむけられるようになってきたと感じております。現段階では当事者に深く考えてもらう試行錯誤の時期ではありますが、人事としてこの悩みにどういった答えを返せるか、今後担当としてのウデの見せ所です!
今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか
iCDデータのインフォグラフィックレジュームへの応用を検討しております。iCDのデータはタスクの網羅性が高く、腰を据えてじっくり分析するデータとしては有用ですが、日常の業務で現場で活用するには、短時間で把握しにくいデータとなっていることも事実です。そこで、海外のHR領域で近年流行っているインフォグラフィックレジューム(海外版の職務経歴書)を作成し、個人の得意領域や特徴、経験などを現場のマネージャーが簡単に把握できる仕組みを導入したいと検討しています。
それから、会社間で評価データを共有し、比較分析をしていくiCDデータ活用コミュニティを発足したいと考えています。例えば、「優秀な成果を残す社員に共通する評価指標を決める」という課題に対して、自社のデータだけでそれを決めて本当に納得いくものとなるでしょうか?私たちは正直煮詰まりました。少なくとも自社の評価データだけでは情報不足でした。また評価以外のデータの必要性も感じています。
人事評価に正解はないと言われて久しいですが、答えのない課題を一緒に試行錯誤して頂ける方々とともに、iCDを活用した人材マネージメントを推進して参りたいと思っております。
※ 十分な距離を開けて取材をさせて頂いております。