iCDを「成長・育成」の強力なエンジンに
「社員一人ひとりが成長を実感できる会社」を目指して

管理本部 能力開発推進室の皆様
綾西利永子様 石井裕二様 川口栄一様 野原豊様 平島達様

会社のご紹介
三菱ケミカルシステム様は、世界的な化学メーカーである三菱ケミカルホールディングスグループのIT基盤を支えるシステム機能会社様です。

三菱ケミカルシステム株式会社
設立:1970年4月1日
従業員数:624名(2020年4月現在)
事業内容:SAPソリューション/ICTインフラソリューション/生産管理ソリューションなどの様々なシステムサービスの提供
URL:https://www.mitsubishichem-sys.co.jp/

取り組みについてお伺いさせてください

 2018年に「構造改革」を経営の重点テーマに掲げました。デジタル技術が社会やビジネスを大きく変えようとしている今、従来通りの業務に留まっていては存在価値を失ってしまうという強い危機感を背景に、新たな重点領域・上流領域・DX領域へ社員の業務をシフトしていこうという取り組みです。構造改革実現のカギは人材です。私たちは「企業は人材育成こそが生命線」であると考え、社員が成長できる会社の実現に向け改革を進めてきました。
並行して「健康経営プロジェクト」で仕事の効率化を進め、成長のための時間を創出しました。iCDプロジェクトは、この時間を活用して社員が学びの活動に取り組むことをベースに「構造改革」を実現するための人材育成を推進しています。

執行役員 管理本部長 兼 能力開発推進室長
石井 裕二 様

iCDをご導入いただいたキッカケを教えてください

 人材育成が大事だと声高に叫ぶだけではなかなか進みません。そこで、何か推進のエンジンとなる指標や方法論が必要だと社長の勝呂は考えていました。そんな時、勝呂がJUASのセミナーでiCD協会の講演を聞き、「これだ!」とピンときた、というのがiCDに取り組むきっかけです。その後、数人のメンバーで準備検討を行い、これはいけると確信でき、全社的に取り組むこととなりました。
 一番の理由はやはり「タスクベースであること」です。スキルからのアプローチだと「スキル習得」と「現実の業務ができるようになること」が必ずしもうまく結びつかないという課題がありました。iCDを導入すれば「自分たちがやるべき仕事は何か」をタスクで定義し「そこを伸ばす」という極めて実践的なアプローチとなるため、当社の目指す方向にフィットすると考えました。

iCDをどのように活用されていますでしょうか

 まずiCDを用いて、自分達の業務はこれだというタスクを役割単位でピックアップします。そして、自分はどの役割を担当しているか、どのレベルでタスクを遂行できているかの診断を行います。ここまでで、自分の業務を、体系化されたiCDタスクに照らしてみることにより「本来はこれもやるべき」「自分はここが足りない」といった気づきを得ることができます。
 この気づきに対して、本人だけでなく上司もサポート役として社員の成長を支援していきます。「私はここを伸ばしたい」「君にはここを頑張ってもらいたい」など、本人と上司の想いをぶつけあいながら議論します。そして、本人には実際に学びの活動に取り組んでもらいます。その際、「このタスクを伸ばすにはこの研修がお薦め」といったガイドも提供しています。研修の場合は受講後に記録を残してもらい、上司も「研修はどうだった?仕事に役立てられそうだった?」などフォローを入れるようにしています。
 当社の狙いは、実際の成長に結びつけることです。この学びとフィードバックを当社では「学びのサイクル」と呼んで、繰り返し実施することを奨励しています。

管理本部 シニアシステムアドバイザー
川口 栄一 様
管理本部 内部統制推進部GM 兼 能力開発推進室
野原 豊 様

取り組みがスムーズに進められているポイントを教えてください。

 まずは、推進メンバーに各事業部・部門の幹部候補の参画を得て、全社各組織が主体的に取り組んでいることが挙げられます。新たな取り組みで負荷もかかりますが、成長や育成が極めて重要だとの思いを共有できたことが大きかったと思います。
 それに加えて、弊社社長の勝呂からの強い想いとメッセージがイントラネットや講話など様々な機会で発信されていることです。本気で取り組むというトップの強い意志が社員の心に響いているのだと思います。

iCDをご導入されて変化したことはどのようなことでしょうか

 「成長すること」「育成すること」への意識が着実に変わってきていると思います。もともと社員の成長意欲は高く、上司も育成の重要性は理解していました。しかし、日常業務に忙しく、後回しになっていたり現場のOJT任せになっていたりで、目標を定めて計画的に取り組むということはなかなかできていなかった。それが今回、iCDを導入してストーリー性を持って取り組んだことで、意識が変わってきているという手応えを感じています。
 それは、本人が学ぶという意識、上司が育成に注力するという意識、上司部下が成長をテーマにコミュニケーションをするという意識、新たなチャレンジをするという意識です。「君はここを伸ばすためにこれが効果的だと思うよ」「この研修はとても良かったので次はこれを受講したい」といった会話も増えています。

今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか

 これまで、自分たちの業務を客観的な指標で定義して、目標を定めて学びの活動を日常的に実践するという取り組みを進めていますがまだまだ道半ばです。「学びのサイクル」が定着し、人材育成により構造改革に確実に貢献することは大きな目標ですがそれだけではありません。学ぶこと、育成することが文化として定着し、社員一人ひとりが「成長を実感できる会社だ」と胸を張って言えるように、引き続き取り組んでいきたいと思います。

※ 十分な距離を開けて取材をさせて頂いております。