理事長 金 修よりご挨拶を申し上げます
いよいよ人材への投資が経営の最優先課題!
株価がバブル期の価格を30数年振りに上回るなど、非常に長かったデフレをいよいよ抜け出し、良いインフレに向いつつあります。大企業や中小企業を問わず、この春の賃上げ結果が、この傾向を継続できるか否かにかかってきました。
この傾向に加えて、コロナ禍の後遺症という側面もあるかとか思われますが、サービス業や製造業などあらゆる産業分野で「人材不足」が叫ばれています。その中でもIT産業では、一層のデジタル化などに対応するために、人材確保が最優先の経営課題になっていると予測されています。
一方、この30数年のデフレ環境とコロナ禍の経験によって、新卒者も経験者も、企業選定の基準は明らかに変化しています。特に若年層で変わってきており、賃金レベルなどは必須としても、最近TV広告にB2B企業が多くなっている事がこの事を表しており、企業イメージの向上で人材確保に注力しているものと思われます。
一方、企業を選ぶ新卒者や経験者にとっては、賃金やイメージに加えて、その企業の「人材への投資の考え方」を最重視していると言われております。
一昨年に「人材版伊藤レポート2.0」が経済産業省から報告され、人的資本経営がクローズアップされてますが、EUや米国に比べれば決して早い対応ではありません。ESGやSDG‘sが叫ばれる中、持続的に発展する企業の条件として、ISO30414など「人的資本への考え方と対応結果」が企業評価に組み込まれてきています。
レポートの中で重要な視点として、次の3つが提唱されています。
視点1:経営戦略と人事戦略の連動
視点2:As is-To beの定量把握
視点3:企業文化への定着
この事は決して新しい提唱ではないかも知れません。しかし、具体的な経営施策として「行動を起こしているか?」という事を、問われているのではないでしょうか。具体的な経営施策として動き出すためには、これらの視点に対して「言語化や見える化の仕組み作り」がその第一歩です。それが出来ていなければ施策のマネジメントは出来ません。
産業界が、欧米の後追いではない人材マネジメントの変革を、
- 我が国の良い点も生かしながら、ガラパゴス化する事なく
- 間違いなく、実効ある形で実践する
皆様が、インフレの風をフォローの風と捉え、人的資本経営の具体的な実践に踏み出し、持続的な経営体質の最重要基盤である人材マネジメントにチャレンジされることを、心から願っております。
当協会は、皆様のチャレンジを支援する事が重要な使命と考えており、人材マネジメントのあり方や進め方、そして有用なユースケースなどを積極的に発信してまいります。
2024.3
一般社団法人 iCD協会
理事長 金 修