専門職育成の指針としてiCDを活用
社内人財育成を推進しています
会社のご紹介
セイノー情報サービス様は、西濃運輸グループの情報戦略会社として設立されました。グループで培った高度な技術、ノウハウを活用され、物流分野のソリューションパートナーとしてお客様の問題を解決する信頼・安心できるサービス提供をされています。高度情報化社会の実現を担い、社会の発展に貢献されているSIer様です。
株式会社セイノー情報サービス
設立:1984年3月
従業員数:500名(2022年4月現在)
事業内容:付加価値データ通信サービスの提供、コンピュータ情報処理、ソフトウェアの開発・販売
取り組みについてお伺いさせてください
弊社は、物流ITソリューションベンダー日本一、働き方改革とSISブランドの確立を標語に掲げています。そのための人財の上流シフトへ向けて、私たちは、幹部社員向け事業ビジョンの浸透、および部下育成、さらには育成強化社員向けヒューマンビジネス研修環境の提供など、職場の成長環境の改善を推進しています。
iCDをご導入いただいたキッカケを教えてください
2015年大阪にて、IPA主催のITSS分科会に参加したのがきっかけでした。参加企業様との情報交換をさせて頂き、各社のスキル標準に基づく推進事例を共有させていただきました。その後スキル評価だけでなく、タスクを評価することの重要性に共感しまして、2017年「関西ワークショップ」参加にてiCDの考え方理解と社内推進に至ることになりました。
当時の専門職スキルアップについては、各部門から提示される育成カリキュラムを元に、育成計画を策定していましたが、総務人事部門による社員育成企画を立案する際、専門職育成の根拠としてiCDを活用できるとして導入することに致しました。
iCDをどのように活用されていますでしょうか
毎年、年度末に社内能力評定を実施しています。評定の結果、翌年に伸ばすべき優先スキルを上長と本人で決めていました。またスキルアップのための研修選択についても現場の尺度で実施されていました。導入以降は、この研修を客観的に選択してもらうためにiCDを活用しています。
具体的には、スキルとiCDタスクを紐付け、伸ばすべき重点スキルはどのタスクに関連しているのかを明確にし、そのタスクをレベルアップさせるための研修は何かを選択するようにしました。社内研修および社外研修共に、タスクと関連させていますので、社員は研修を選択しやすくなったと思います。
さらには、上長は部下がどの研修を受けているのかを把握していますので、研修効果を高めるために、スキルアップに見合った実業務をアサインできるようになりました。
取り組みがスムーズに進められているポイントを教えてください。
経営層や部門長に対して、iCDの活用による育成方法の理解を高めてもらう説明会を実施しました。社長および全役員参加する経営会議では、iCDをツールとして総務人事部門の育成手段として活用することを説明しました。また部門での説明も詳細に繰り返し説明しました。
これにより、各部門間でもスキルに関して共通の考え方が持てるようになり、部門長やリーダークラスの意欲向上へもつながっていると思います。
現状の課題としては、弊社固有の専門職スキルに対するタスクを如何に紐づけていくのか、これを明確にすることが必要とされています。
iCDをご導入されて変化したことはどのようなことでしょうか
弊社では、スキルとタスクの対応表を「スキルマップ」と呼んでいます。このスキルマップが、なぜこの研修を受ける必要があるのかといる点で非常に説得力があります。上流シフトとして、ワンランク上の業務をしてレベルアップしてもらうようにしているので、iCDのタスクを元に、社員を業務で引き上げる環境ができたことが大きい成果だと思います。
また、お客様と対等に話ができるように上級プロジェクトマネージャー(PM)として、全国標準レベルのプロジェクトの進め方、知識など体系的にiCDを活用できるようになりました。世の中共通のiCDタスクを使っているという点は意義があることだと思います。
今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか
iCDのタスクを元にした社内能力評定定義文に対応した研修カリキュラムの充実をはかりたいと思っています。さらに、弊社固有の専門職である「物流コンサルタント」の物流企画業務および物流サービス運用に関して、タスクの定義とスキルの連携を深めていく予定です。将来的には、ジョブ型人財配置を想定した職務定義でもiCDを活用していきたいと考えています。
※ 十分な距離を開けて取材をさせて頂いております。